ホテルサイトの宿泊予約コンバージョン率ガイド
by Hiroko

インターネットでホテルのマーケティングをする場合、「自社ホテルのウェブサイトを見てくれる人が多ければ多いほど良い」と考えるのは正しいです。

でも、もしあなたが穴の空いたバケツに水を集めているとしたら、解決策はさらに多くの水をバケツに入れることでしょうか?(そして多くの場合はお金を払うことにもなります)

トラフィックの獲得にばかりを考えてオンラインでのホテルマーケティングを行うことはバケツから水が漏れているようなもの
サイトへ訪問者がきても、バケツからこぼれ落ちていたらどうでしょう

それとも、まずバケツを直すことでしょうか?
コンテンツマーケティング、Google広告、オーガニック、ソーシャルメディアマーケティング、有料ソーシャルメディアマーケティング、SEOなど、すべてがホテルのマーケティングプランには組み込まれています。

こうした施策はすべて、自社ホテルのウェブサイトへ流入するトラフィックを増加させ、より多くの人にホテルのウェブサイトを見てもらうことを目的としています。

でも、多くの場合、見落とされしまっていることがあります。

あなたのホテルのウェブサイトは、実際にサイトへの訪問者を宿泊予約までコンバージョンしているでしょうか?

この記事では、ホテルのコンバージョン率(予約成約率)とは何か、それがどのように計算されるかをいくつかのベンチマークとなる数字/業界平均を通じてご説明します。

自社ウェブサイトのコンバージョン率

この記事では、ホテルの自社ウェブサイト上で発生したコンバージョン(宿泊予約成約)率についてのみをお伝えします。

インターネット上であなたのホテルをマーケティングした結果得られた、電話予約などのオフラインでのコンバージョンを測定するために使われる指標もあります。

注意として、ここでは、ホテルの自社ウェブサイト上での宿泊予約を増やすためのコンバージョン率について語ります。実際、電話での予約を取得するよりも、ウェブサイト上からの予約はオペレーションのやそのための費用を節約できるだけではなく、ヒューマンエラー防止にもなります。

まずは、宿泊予約の見込み客が自社ホテルのウェブサイトにやってくるときに、どうしたら、「成功」と考えられるか指標を整理してみましょう。

今、自社ホテルのウェブサイトのセッションやページビュー、訪問者(ユーザー)をトラッキングしているとします。その状態が実は、「たくさん自社ホテルサイトへ訪問者が増えている!」と目がくらんでいる可能性があります。

仮に、サイトへの訪問者15%アップしているとしましょう。その15%アップの効果として、より多くの収益をうんでいますか?必ずしもそうではありません。

「コンバージョン率」を理解せずにウェブサイトのトラフィックだけを測定していると、直接予約獲得という成果を出せずに終わってしまうかもしれません。

コンバージョン率を上げることによるレベニューマネジメント
コンバージョン率を上げることによるレベニューマネジメント

デジタルマーケティングの努力をウェブサイトへの「トラフィックを増やすこと」ばかりに集中する代わりに、「同じサイトを最適化してより多くのサイト訪問者を宿泊予約にコンバージョン(変換)すること」に時間を費やしていくことが大切です。

例えば、あなたのウェブサイトには毎月1,000ユーザーが訪れているとしましょう。現在、これらのユーザーの1%がコンバージョン率として、実際に宿泊予約まで至っているとしましょう。
ホテルのマーケータ―として、どちらを選びますか?

  • サイト訪問数を月に2,000ユーザーに倍増させる
  • サイト内のコンバージョン率を2%に上げる

予約成約数から考えれば、数字的には同じ結果です。でも、新たに1,000ユーザーを自社サイトに流入させるためのコストを考えてみましょう。1000ユーザーを新たに自社ホテルサイトへ流入させるために、SNS広告やGoogleAdsへコストをかけたのではないでしょうか?

つまり、自社ホテルサイトの予約コンバージョン率を改善することで、サイト訪問者をより高い確率で実際の宿泊顧客として予約を獲得できるレベニューマネージメントを行っていけます。さらに、コンバージョン率をいま改善しておけば、将来のマーケティング活動のROI(投資収益率)を向上させるもできるのです。

ここで、考えてみましょう。

宿泊予約のコンバージョン率を2%に上げたうえで、ユーザーを月間2000人に倍増させていくとどうでしょう。

宿泊予約の成約があがらないサイトへ一生懸命訪問トラフィックを増やすことに、マーケティングの努力をかけるのではなく、サイトのコンバージョン率に焦点を当てることで、長期的に宿泊予約成立のパフォーマンスをあげていくことができます。

実際問題、サイトへのトラフィックをホテルの宿泊客に変えることができなければ、どれだけ多くのユーザーがあなたのウェブサイトに来ても、あなたのマーケティングは失敗しているということになります。

ホテルサイトへ訪問者トラフィックを増やすことばかりに注力するのではなく、訪問者のうち実際に宿泊予約が成約した割合であるコンバージョン率をあげていくことが重要
サイトへの訪問者を宿泊客へコンバージョンしていく

ホテルのウェブサイトのコンバージョン率は、デジタルなトラフィックを実際の宿泊客へ変えていくためにとても重要です。

では、コンバージョン率はどのように計算するのでしょうか?
次ではその計算方法について解説をしています。

コンバージョン率の計算方法

自社サイトのコンバージョン率を把握するためには、まず何を測定するかを考える必要があります。ウェブサイトを訪問したユーザーに何をしてもらいたいかを考えてみましょう。ほとんどのホテルのウェブサイトでは、シンプルに「宿泊予約」をしてもらいたいになるでしょう。

ひょっとするとあなたのホテルでの目的は違うかもしれません。例えば、こんな目標をもたれるホテルもあられるでしょう。

  • レストランの予約
  • スパのパッケージの購入
  • 企業打合せ、パーティー、結婚式会場予約のお問い合わせ
  • ヨガクラスへの申し込み

技術的に測定できるものである限り、この数字だけを測るべきといったことはありません。

Google Analyticsでe コマース トラッキングを設定する

多くのホテルでは、空室状況と価格を表示するために予約システムを使用しています。この予約システム上で、Google Analyticsを介して顧客がどのようにコンバージョンしたかを把握できるようにする必要があります。このタイプのGoogle Analyticsでのトラッキングは「e コマース トラッキング」と呼ばれています。

ホテルのコンバージョン率やウェブサイトが生み出す収益の改善に役立つデータを幅広く提供してくれるため、可能な限りGoogle Analyticsのe コマース トラッキングを設定するべきです。

e コマース トラッキングを設定すれば、以下のようなデータを取得することができます。

  • 予約数
  • 収益の発生量
  • 平均的な注文値
  • プラン別の販売実績
  • カテゴリー別の販売実績
  • オンライン予約のコンバージョン率

e コマースのコンバージョン率は、e コマース トランザクションに至った訪問の割合であり、ユーザーの購買意欲をかき立てられるようマーケティングを展開しているか、サイトが容易に購入手続きを進められるような作りになっているかなど、マーケティング戦略やサイトのデザインの有効性を測定するうえで非常に役立ちます。

Google Analyticsヘルプより

つまり、以下の式によってe コマースのコンバージョン率は定義されます。

コンバージョン率=(セッション数/トランザクション数)×100(%)

Googleアナリティクスの目標トラッキング

あたなのホテルが、WASIMILのオンライン自社予約システムを使用していない場合、コンバージョン率のトラッキングが難しいことがあります。

自社ホテルのウェブサイトから遷移してしまった場合、特定の宿泊予約や支払いをトラッキングすることができません。

あなたのホテルで、お問い合わせフォームを使用していたり、電子メールのリンクをクリックするようにメールの受信者へ促す場合、以下のことを検討すると良いでしょう。

  • Eメールで最終予約を確定するようなウェブサイトの予約
  • 会場予約へのお問い合わせ
  • 料理教室や瞑想リトリートへの関心表明

額面上は、お金のやり取りはありませんが、これらはすべて販売につながる可能性があるのです。このような目標完了型の行動は、「リードジェネレーション(見込み客の獲得)」と呼ばれています。

Google Analyticsの目標設定では、こうした行動を測定してレポートすることができます。
また、意味がある場合には、これらの行動に円の価値を割り当てることもできます。
例えば、会場予約の平均販売価格を知っているとしましょう。営業チームがリードの何%を販売に転換できるかを知っていれば、1リードがどれくらいの価値があるかの目安を知ることができます。

そこで、この場合は、次の式を使って目標コンバージョン率を計算します。

(セッション数/目標完了数)×100

ページとサイト

ここで注目すべきは、コンバージョン率を個々のページレベルで見るか、ウェブサイト全体で見るか、という2つの異なる視点があることです。

強く、ウェブサイト全体のコンバージョン率を見ることをお勧めします。なぜでしょうか?

なぜなら、ウェブサイトの全体的なコンバージョン率は、次のようなホテルのウェブサイト運営に投入されたすべての努力の効果を測るための指標を与えてくれるからです。

  • 宿泊プラン
  • コンテンツマーケティング/ブログ記事
  • コンバージョン率の最適化
  • ウェブホスティングの改善
  • セールスコピーとメッセージ
  • 検索エンジン最適化(SEO)
  • サイトの視覚的効果

ブログの1記事が、宿泊予約ページと同じだけコンバージョンに寄与すると考えるのは不公平ではあります。でも、ブログ1ページ1ページが、宿泊予約を成立するために何の役にも立っていないということはありません。

一般的なホテルの換算レート

計算が終わったところで、多くの情報ソースから典型的なホテルのウェブサイトのコンバージョン率を見てみましょう。この情報を「ブティックホテル」といったホテルの種類に特化することは、残念ながら十分なデータがないことが多いため、難しいです。そのため、ここでは一般的なホテルの事例と考えてください。

eコマースの平均コンバージョン率

ホテルのeコマースのコンバージョン(自社ホテル予約システムのコンバージョン)に関するベストな公開データとして、Wolfgang DigitalのeコマースKPIベンチマークレポートを参照しています。

ホテルだけのデータではありませんが、近しいものとして考えられます。ホテルにはあまり特定されていませんが、Statistaは2015年時の世界の旅行業界におけるeコマースのコンバージョン率を示しています。Statistaのデータは、地域やデバイスによって分かれてはいますが、平均値を見れば、Wolfgang Digitalのリサーチ結果に近似しています。

平均的なeコマースのコンバージョン率

平均的なeコマースのコンバージョン率はこのようになっています。

  • 2016: 2.04%
  • 2015: 2.01%
  • 2014: 1.56%

旅行・ホスピタリティ業界の目標コンバージョン率

業種別リードジェネレーションのコンバージョン率(2017年3月) 出典:Unbounce
業種別リードジェネレーションのコンバージョン率(2017年3月) 出典:Unbounce

2017年のCall to Action Conferenceで、Unbounceの「2017年3月版コンバージョンベンチマークレポート」を入手しました。レポートによると、旅行業界におけるリードジェネレーション(目標完了)は、コンバージョン率の中央値が5.0%でした。コンバージョン率の高いページでは19.7%以上で、4分の1のページのコンバージョン率は2.1%以下でした。

改善されつつある旅行・ホスピタリティ業界のコンバージョン率

残念ながら、私たちは常に全てを把握しているわけではありません。公に主張されているコンバージョン率の中には、コンバージョンの種類に特化していないものもありますので、目安としては有用ですが、真のベンチマークとして使用できるものではありません。

でも、何年にもわたってコンバージョン率の経過を見てきたところ、旅行業界のコンバージョン率は良くなってきているということがいえます。2012年4月に実施されたMarketing Sherpaのウェブサイト最適化ベンチマーク調査によると、旅行・ホスピタリティ業界のコンバージョン率は平均4.0%で、当時は小売業や非営利団体以外のほぼ全ての業界に負けていました。

Average Website Conversion Rates by Industry, April 2012業種別平均ウェブサイトコンバージョン率 (2012年4月)
出典:Marketing Sherpa

gえ旅行業界はウェブサイトのコンバージョン率であまり高い割合を示していませんでしたが、いま、時代は確実に変化しています。ホテルでも、より高い広告費(Google Hotel Ads、有料ソーシャルメディアキャンペーンやPPC(ペイパークリック)など)を使うようになっています。こうしたホテルは使った広告費からより良い成果を上げるために思考錯誤しはじめているのです。

ですので、2012年には旅行とホスピタリティ業界は、コンバージョン率が下から3番目でしたが、実は2017年をみれば、旅行とホスピタリティ業界は上から3番目にまで上がってきているのです。

デバイス別の旅行コンバージョン率

デバイス別の旅行コンバージョン率について、Adobe Digital Indexの2015年「ベスト・オブ・ザ・ベストレポート」では、旅行部門のデバイス別、地域別のコンバージョン率の内訳が示されています。デスクトップのコンバージョン率は、すべての地域で引き続き高くなっていますが、ヨーロッパでは圧倒的に高くなっていることがわかります。

Travel Sector Conversion by Device and RegionTravel industry conversion rates by device and region (2015)
Source: Adobe Analytics

2016年のレポートでは、Adobeは同じようなカテゴリー分けでの数字を示しませんでしたが、2年間でデバイス別コンバージョン率の変化がわかるものでした。

平均値最高値
2015年 デスクトップ コンバージョン率1.5%3.1%
2015年 モバイル コンバージョン率0.3%0.5%
2016年 デスクトップ コンバージョン率1.8%3.5%
2016年 モバイル コンバージョン率0.5%0.9%
デバイス別旅行業界のコンバージョン率
出典:Adobe Analytics

旅行業界全体としてはデスクトップでのコンバージョン率を向上させる試行錯誤が行われたということでしょう。長期的な勝者となるのには「モバイルファースト」を念頭にしたホテルのウェブサイトが重要になってくると信じてはいますが、特にヨーロッパでは、デスクトップ経由でホテルの宿泊予約を稼ぐ道がまだあることは明らかです。

典型的なベンチマークとしてのブティックホテルのコンバージョン率とは?

コンバージョン率の改善はCRO(Convertion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)と呼ばれています。

ブティックホテルに関していえば、私の見解では、積極的にウェブサイトを通じた直接販売(ダイレクトブッキング)を追求し、CRO の専門家と協力している場合でなければ、年間を通じてサイト全体の eコマースのコンバージョン率が2.25% 以上になっているブティックホテルはほとんどないと考えています。

*この記事は、Rank Defenderの創業者であるJase Rodley氏の協力をもとにWASIMILが翻訳・編集を行ったものです。
オリジナル記事:Hotel Conversion Rates Explained