Google Hotel Adsを活用する4つのヒント
July 4, 2020 | By Hiroko

アムステルダムには観光客が多く訪れています。
旅行者も年間30億ユーロを支出しています。

だから、”アムステルダムのホテル “などの検索ボリュームが年々急増していると思いますよね?

「アムステルダム、ホテル」での検索ボリュームの傾向
観光地として人気のアムステルダム。「アムステルダム ホテル」での検索ボリュームは?

でも、残念ながら事実は異なります。

そのような検索クエリのトラフィックは、むしろ急落しているんですよ、と聞くと驚かれるのではないでしょうか。

しかもその検索ボリュームは2004年と比較すると半分程度にもなっています、と言われるとどうでしょう。

たとえば、下のGoogleTrendsのグラフを見てみましょう。
ご自身でも、検索してみることができます。
(注:2020年2月以降の急落はCovid-19によるもの)

このパラドックスは、最近の旅行者の行動変容によって説明することができます。

2000年代は、従来の水平型の検索エンジンが旅行を予約するトップファネルにあったとしたら、実際には、その機能はますますミドル・ボトムファネルに委ねられてきています。

一方で、垂直型のメタサーチエンジンがその座を奪っているのです。

メタサーチエンジンは、ほかにも横断検索エンジン、メタ検索エンジンとも呼ばれます。比較サイトをイメージするとわかりやすいでしょう。
「ホテル 東京」で検索をするとBooking.comやExpediaなどOTAからの検索結果を統合し、一括比較して表示させるような検索機能です。

さて、このような、メタサーチエンジンの隆盛は、ホテルのレベニューマネージメントマーケティング戦略にどのような影響を与えるのでしょうか?

メタとは?

ホテルの予約は、以前はもっと面倒くさいものでした。ホテルでのロマンチックな週末を計画することに手こずり、イライラたことを覚えている年代なら、ご理解いただけるのではないでしょうか。

幸いなことに、2005年頃にメタサーチが登場し、宿泊予約をより簡単にしてくれました。

メタサーチエンジンのおかげで、ウェブ上のハイパーリンクの海を航海する必要はなくなり、数クリックで最高の宿泊施設が見つかるようになりました。

メタサーチエンジンは、実際、「リンクを集合させたもの」でしかありません。

ところで、メタという言葉はギリシャ語のμετάに由来しています。命題に関しては、”after”、”with”、”byde”、”beyond”、”jacent”、”self”、” among “という意味になります。

みなさん、混乱されていますね?

アリストテレスは、Meta(メタ)Physicsとして形而上学を著した
アリストテレスと、メタ

ご説明します。4世紀にアリストテレスは 『Physics(自然学)』を書き、ベストセラーになりました。

そこで、アリストテレスは 続編である『”Meta”physics(形而上学)』を書くことにしました。

現代英語における、メタとは「ある主題に付けられた接頭語であり、その主題を分析するが、より抽象的でより高次の別の主題となるもの」という意味です。

私はこの定義がとても好きです。

この定義に従えば、メタ検索エンジンは、単に旧式の検索エンジンの「より高次元にあるもの」に過ぎません。

マネーが追随する

旅行におけるメタサーチエンジンへの関心の高さは、特にOTAへの投資やメタブランドの買収の場面で明らかになっています。

Booking HoldingsはKayak、Momondo Cheapflights、HotelsCombined、SWOODOO、Checkfelix、Mundiなどの株を所有していまし、Expediaは今でもTrivagoの株式の大部分を維持しています。

こうした大手OTAによる買収劇は、メタ検索エンジンとOTAとの間に進歩的なハイブリッド環境を生んでいます。

というのも、Booking.comがTripAdvisorに広告を出したと思えば、Google Hotel Adsにも広告を出すし、と無限の広告連鎖が起きており、奇妙な状況を生み出しているのです。

メタはどこで終焉するのか

「メタとは?」といった形而上学的なニュアンスはさておき、メタサーチエンジンは、EyeForTravelの洞察に富んだホワイトペーパーから引用すれば

「ただ単純に宿泊予約者を各ベンダーの予約エンジンにリダイレクトしている」以上のことはほとんどしていない、と言えます。

ただし、重要な例外があります。

ある匿名の関係者によれば、TripAdvisorはGoogleに数トンのトラフィックを奪われているという事実を認めました。一方で、Trivagoは収益を維持するために苦労しているとのことです。事実、ドイツのメタサーチは、かつてBooking HoldingsやExpedia Groupの大規模な投資によって財務的に支えられていました。(噂によれば、世界の広告予算の10%に上っていたとのこと)

風向きが変わったのは、Booking Holdingsが投資を大幅に削減してからです。

裏には他の理由があるのではといった多くの憶測が飛び交いました。
振り返ってみると、悪名高い「関連性評価スコア」を同社がアルゴリズムとして導入したことが、一番の引き金となったと考えられます。

「関連性評価スコア」は、Booking.comのような広告主が、単独宿泊施設を紹介するランディングページの代わりに、複数宿泊施設を紹介するランディングページを利用することにペナルティーを与えるアルゴリズムでした。

バンク・オブ・アメリカは素っ気なくも、「Trivagoは予約手数料を手にするか成長するか選ばないといけない。二兎を追うものは一兎も得ず。」と言い放ちました。

実のところ、予約手数料は戻ったとしても成長はしません。もはや、いばらの道を進んでいるかのようです。

Googleのメタサーチが根こそぎ持っていく

「Googleが市場を独占している」と米議会の公聴会へ召喚された際、Googleの経済政策担当ディレクターであるアダム・コーエン氏は、市場は「もっと広い」と述べ、旅行者が「旅行先、ホテル、航空会社」を検索するときには、OTAなど競合他社サイトでまずが検索する、という見解を示しました。

Googleがメタサーチで旅行市場をとりだしている
Googleとメタサーチ

ところが、データは非常に異なる話を私たちに教えてれます。
Miraiによると、Google Hotel Adsは「2019年にメタ検索へ投資された広告額の67%にも達した」といいます。AdsHotelも同様の数字を出しており、Googleが市場のパイの半分を占めているといいます。

さらに最近、Googleは、すべてのパートナーがHotel AdsのキャンペーンをHotel Ads CenterからGoogle Adsに移行しなければならないと発表しました。

Koddiが見解を示すように、これにより、広告主は市場を細かくターゲティングできるようになるため、「広告入札とキャンペーンの最適化に対し、より柔軟性が高まる」ことになります。

つまり、前述のとおりGoogleが単なる”メタ”にとどまらない例外的な存在になることを意味しています。

これまでのメタサーチが「単に宿泊予約者をOTAの予約エンジンにリダイレクトするだけ 」以上のことができるようになるのがGoogleのメタサーチエンジンなのです。

Googleのメタサーチは、単に宿泊予約者をOTAへリダイレクトするだけ以上のことができるようになる

分断統治、そして今OTAは?

でも、よく見てみると、ここ数年のメタサーチの進化は、OTAやベッドバンクと呼ばれるような比較サイトの進化と大差がないようにも見えます。

宿泊業界に長くいらっしゃる方であれば、ローカルで比較的小規模なOTAは、かつては収益よりもブランディングの面で非常に重要な存在であったことを覚えていらっしゃるかもしれません。

1994年に設立されたローマのウェブサイトVenere.comはその好例です。また、Gullivers Travel Associates、Octopus Travel、DERはどうでしょうか?あるいはSplendiaのようなニッチで高級なOTAプレーヤーはどうでしょう?

実は、これらのOTA現在ではすべて買収されたか合併されています。

同じように考えてみれば、Googleは今後買収によって、もしくは競合他社をもたらすことによって、その手を広げていく可能性があります。

この流れはおそらく戻らないでしょう。ですから、ホテル経営者はTripAdvisor中心のOTAチャネルのアプローチから目を覚ます必要があります。

いま検索ボリュームがあるところで、投資収益率(ROI)が高いと見込まれるところに広告を投入すべき時期にさしかかっています。

Google Hotel Ads活用への4点のアドバイス:

ヒント1:Google Hotel Adsの広告入札に戦略を

Google Hotel Ads のキャンペーンはとても緻密に構成されており、何百もの変数が使われています。
広告入札は、将来の広告レート、利用可能性、季節性に応じた市場の供給状況に基づいて、変動させながら行うべきです。

あなたの広告予算は、Trivadvisor、Trivago、Kayak、Google AdsからGHAとBoGへと移行させていく必要があります。

ヒント2:Google MyBusinessのホテル情報を常に最新にする

Google MyBusiness に掲載の情報が常に最新のものであるか確認しましょう。なぜなら、多くの場合において、Googleで検索するユーザーが最初にあなたのホテルを目にする最初のタッチポイントになるからです。

ヒント3:Google MyBusiness上のレビューへ返信を

Google MyBusiness 上で、ユーザーからの質問にすべて答え、Googleのレビューに返信をしましょう。もしそんなことしている暇ない、ということであれば、1つのプラットフォームに集中しましょう。TripAdvisorをやまて、Googleに集中すべきです。

ヒント4:メタサーチ広告の変化を常に意識する

最後に、最も重要なことは、メタサーチ広告は常に変動しているということです。メタサーチ広告は、テストと学習を繰り返しており、今後もアルゴリズムが大きく変動していきます。

そして、いずれはAI(人工知能)がホテルのマーケティング領域に進出しだし、手作業で行われていた広告効果分析や広告入札の一部をスマートテクノロジーに置き換えていく様子を私たちは目にすることになるでしょう。

メタサーチはいま、流通コストをコントロールするために、ホテルのレベニューマネージメント戦略のキーになりつつあります。

*この記事は、Xotels.comのThijs de Boer氏の協力をもとにWASIMILが翻訳・編集を行ったものです。
オリジナル記事:5 Tips to Maximise Your Hotel Metasearch Advertising Revenue