もしあなたが、GDS がホテル ビジネスにどのように役立つかを検討している場合、これはチャンスです。 この記事では、GDS とは何か、その仕組み、GDS を利用することで得られるメリットについて徹底的に解説します。
この記事ではGDSについて
・GDSとは何か
・GDSから得られるメリット
・GDSをおすすめするホテルの特徴
・4大GDS
などをわかりやすく解説しています。
GDSが何なのかを深く理解した上で、GDS接続を検討してみましょう。
GDS(Global Distribution System)とは
“GDSとは、世界中の航空会社、ホテル、レンタカーなどの予約・発券ができるコンピュータシステム。セーバー、アマデウスなどが有名。航空会社、ホテル、レンタカー会社の予約システムと接続されており、リアルタイムでの予約が可能。世界各国の旅行会社に設置もしくは旅行会社の予約システムと接続し販売されている。”
どんなシステムなのかいまいちイメージしにくいですね。
わかりやすく説明していきます。
ホテルにとってのGDS
GDSとはひと言でいえば、「あなたのホテルと世界中のマーケットをつなげてくれる巨大なチャネル」です。
具体的なシーンで考えてみましょう。
顧客が旅行会社へ行き、旅行計画の依頼をします。旅行会社のスタッフは、GDSを見てホテルを探し、顧客に提案するのです。このときGDS上では、空き状況や料金レートがリアルタイムで表示されています。
そして、GDSを導入している旅行会社は世界60万以上。
あなたのホテルがGDS上に表示されるようにすれば、この60万以上の旅行会社とつながることができ、一気に世界中をマーケットとできるのです。
旅行全般をつかさどるGDS
元々GDSは1960年代に航空会社が予約処理システムとして開発したものだったので、飛行機のスケジュール・料金レート・空き状況などを確認するツールでした。
まだインターネットが普及していない時代に、大変画期的なツールだったのです。
それが次第に幅を広げ、ホテルやレンタカー、クルーズ、列車など旅行に関わるサービス全般の予約システムと連携されるようになってきました。
その長い歴史から、現在でも膨大な提携先を確保しているのですね。
また、GDSを利用するのは個人旅行というよりも、ビジネス出張や社員研修、団体旅行など大人数の旅行が多いです。
GDSで得られるホテルのメリット
GDSに接続して得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
世界中の旅行者を効率的に獲得できる
GDSに接続することで得られる最大のメリットは、「世界中の旅行者を効率的に得られること」です。
前述の通り、GDSを使っている旅行会社は世界中に60万以上と非常に多く、他のOTAにも追随を許さないほどでしょう。
さらにそれぞれの旅行会社が、複数の法人取引先を抱えています。ホテルが繋がれる旅行者の数は想像できないほど多いのです。
GDSに接続すれば、ホテルマネジャーが別の仕事をしている間でも、60万以上の旅行会社と数え切れないほどの旅行者にアプローチできるのです。
新しいセグメントの発見
GDSという膨大なマーケットに接続することで、ホテルは新しいマーケティングセグメントを発見できるでしょう。
今までリーチできていなかったセグメントにリーチできるようになり、あなたのホテルに関心を持ってくれる、共感してくれる新しい顧客層に出会えるのです。
実際に多くのホテルがGDSを通して、今まで気づけていなかったセグメントを見つけています。
さらに、GDSというマーケットでは、旅行代理店は最安の部屋を探しているのではなく、旅行者にとって最良の部屋を探しているのです。
ホテルプロフィールをきちんと入力すれば、GDS上でホテルのブランドイメージやメッセージ性などが表示され、より旅行会社の目に留まりやすくなり、よりぴったりの新しい旅行者にめぐり合わせてくれるでしょう。
今後も長くメリットを享受できる
現在で多くの旅行会社がGDSを使用しているのはすでに述べましたが、今後もこの傾向は続く見込みです。
旅行会社は、ホテルだけでなく飛行機やレンタカーなどを一度にチェックできるGDSの恩恵を感じています。GDSは、旅行会社にとっても便利で効率的なツールなのです。
年々そう感じる旅行会社は増え、OTAといった次世代システムが台頭している今後も、GDSの需要が減ることはないでしょう。
今からGDSに接続しても遅くありません。
ぜひ世界中とつながって、効率的なホテル運営を行いましょう。
GDSのメリットを特に受けやすいホテルの特徴
世界中からゲストを集めたいホテルはすべて、GDSに接続すればメリットが受けられます。
その中でも、特にGDSのメリットを受けやすいホテルの特徴を紹介しましょう。
下記のいずれかにあてはまるなら、GDSに接続することを強くおすすめします。
- 海外ゲストを主なターゲットにしている
- 海外富裕層・ビジネス層をターゲットにしている
- インバウンドが多い都市部(東京・大阪など)に立地している
- 空港や大型商業施設、政府機関などの要所近くに立地
- 客室数が多い(少なくとも20室以上)…など
インバウンドの需要が見込めるホテルはGDSで世界中からのゲストを集客でき、客室数が多いホテルはGDSで効率的に予約獲得できるでしょう。
主要な4大GDS
歴史ある代表的なGDSを紹介します。それぞれ特徴があるので、あなたのホテルに合ったGDSを決めましょう。
①amadeus(アマデウス)
1987年創業のアマデウスは30年以上の歴史あるGDSで、他のGDSをけん引してきた先駆けです。
190以上のマーケットと何百万人のゲストとつながる可能性があり、GDSの中でも最も大きなものと言えるでしょう。
②Sabre(セイバー)
日本への送客が最も多いGDSです。
ソフトウェア及びテクノロジー企業でもあるセイバーは、先端技術やデータを駆使してホテルや航空会社にビジネス拡大の解決策を提案。
特にグローバルなB to B に強みがあり、OTA(Online Travel Agency)の先駆けとも言われています。
65,000の旅行会社、400以上の航空会社、125,000以上のホテル、27のレンタカー業者、17のクルーズ会社、50以上の鉄道事業者などが利用しています。
④Galileo(ガリレオ)
ガリレオの起源は1971年、初めてのコンピューター制御によるCRSを構築したことに始まります。
セイバーやアポロといった他のGDSとはやや異なる市場のシェアを獲得し、アジア太平洋、ヨーロッパ、中近東、アフリカなど全世界で広く使用されています。
ガリレオはワールドスパンとともにトラベルポートを親会社に持ちますが、データセンターを共有しながらもそれぞれ運用されています。
ガリレオはコンテンツや旅行会社へのリーチ、ワールドスパンはオンライン流通技術などに強みを持ち、それぞれの特性を活かしながら運用されているのです。
③Worldspan(ワールドスパン)
1990年にはじまったワールドスパン。
2007年にトラベルポートに買収され、ガリレオとともに別々で運用されています。
ワールドスパンはオンライン流通技術などに強みを持ち、EコマースやITサービスや製品を持つソリューションも提供しています。
特に北米、南米、ヨーロッパ、アジアの市場でビジネスを拡大しています。
GDSに接続する方法
あなたのホテルをGDS上に表示する、つまりGDSに接続する方法は簡単です。
セントラル・リザベーション・システム(CRS)を持っている場合は、接続したいGDSへ直接申し込んで接続します。
セントラル・リザベーション・システム(CRS)を持っていない場合は、コンサルティング会社経由で申し込んで接続します。それぞれのGDSがコンサルティング会社を持っていることが多いので、それを利用すればよりスムーズに接続できるでしょう。
接続するだけで全世界をマーケットにできるので、ぜひ接続を検討してみてください。
まとめ
GDSとは、あなたのホテルと世界中のマーケットをつなげてくれる巨大なチャネル。
60万以上の旅行会社とつながれるチャネルは、他にはありません。
接続していて損はないでしょう。
特に、空港や大型商業施設の近くの部屋数の多いホテルは大きなメリットが見込めます。
これから少しずつ回復していくインバウンドへの対策準備として、今からGDSに接続しておくことを検討してみてください。