「チェックインが重なるとゲストを待たせてしまう…」
「ゲストカードの記入や転記に時間がかかる」
「チェックイン時に他の業務があると一気に手が回らなくなる」
あなたのホテルでは、よくこのような状況になっていませんか?
もしかしたらモバイルチェックインへ移行するタイミングかもしれませんよ。
この記事ではモバイルチェックインについて、利用の流れやメリット、チェックイン以外に役立つことなどを解説します。
スマートホテルへの第一歩として、ぜひモバイルチェックインについて理解を深めましょう。
モバイルチェックインとは
モバイルチェックインとは、スマホやタブレットなどのデバイスからオンライン経由でチェックインすることです。オンラインチェックインとほぼ同じ意味と考えて良いでしょう。
予約時に発行されるQRコードを使用したり、専用アプリをダウンロードしたりする方法があります。
モバイルチェックインの流れを確認しましょう。具体的なイメージをしてみてください。
モバイルチェックインの流れ:アプリ編
APAホテルが導入している、アプリを使ったモバイルチェックインの流れを紹介します。
- ホテル専用アプリをダウンロード
- アプリから宿泊予約
- スキマ時間に宿泊者情報の入力や決済をする
- ホテル到着後アプリチェックイン専用機にアプリ会員証をかざす
- カードキーが発行される
モバイルチェックインの流れ:QRコード編
自社ホテルアプリやチェックイン専用機がなくても、モバイルチェックインは可能です。
ここでは、一般的なQRコードを使ったモバイルチェックインの流れを紹介します。
- ホテル公式サイトやOTAから予約
- ホテルからメールでチェックイン用QRコードが届く
- ホテルのタブレットにQRコードをかざす
- 予約内容が表示され間違いなければOK
- スマホがそのままルームキーに
モバイルチェックインがホテルに必要な理由
ホテルにモバイルチェックインが必要な理由は何だと思いますか?
従来のチェックイン方法ではいけないのでしょうか?
ここでは、チェックインに関するデータとともに、モバイルチェックインの必要性を紹介します。
多くのゲストがモバイルチェックインを求めている
SOFTWARE ADVICEによると、60%のゲストがモバイルチェックインやモバイルキーのあるホテルを選びやすいというデータが出ています。
さらに、モバイルチェックインを希望するゲストは55%、モバイルチェックアウトを希望するゲストは57%と、半分以上のゲストがモバイルチェックイン/アウトを求めているのです(HOSPITALITY TECHNOLOGY)。
今後も増加すると考えられるこのニーズをいち早く捉え、早めに対応する必要があります。
チェックインに時間がかかるほど顧客満足度は下がる
コーネル大学の調査では、チェックイン待ち時間に5分かかるごとに顧客満足度が低下するという結果が得られました。
ゲストのチェックインが重なり、ゲストを5分以上待たせてしまうことはよくありますよね。
せっかく宿泊してくれるゲストに対して、最初から顧客満足度を低下させてしまう事態は避けたいところです。
競合ホテルと差別化できる
現状、モバイルチェックインを導入しているホテルは3分の1以下と言われています。一方、モバイルチェックインを準備中あるいは検討中のホテルは48%です(HOSPITALITY TECHNOLOGY)。
これは、モバイルチェックイン導入ホテルは今はまだ少ないが、今後急速に増えていく可能性を示唆しています。
今のうちから導入すれば、競合ホテルとの差別化を図れるチャンスとなるでしょう。
モバイルチェックインの恩恵
モバイルチェックインは、ホテルだけでなくゲストにとってもメリットがあります。
それぞれ分けてメリットを紹介します。
ホテルが得られるメリット
- 感染予防対策になる
- フロント業務を効率化できる
- 時間と人件費を削減できる
- ゲストへのおもてなしに時間を割ける
- データの正確性があがる
まず挙げられるメリットは、時代に合ったサービスを提供しているというイメージアップが得られることでしょう。衛生管理やソーシャルディスタンスが求められる昨今、非対面・非接触のサービスは必須です。モバイルチェックインを導入すれば、できるだけ対面や接触を減らしていることをアピールできます。
次に、フロント業務の効率化を図れること、人件費を削減できることが挙げられます。従来のチェックイン方法では1組10~15分ほどかかっていた時間を、ゲストへのおもてなしの時間に割くことができるのです。コストが減って、おもてなしを充実させれば収益アップにもつながるでしょう。
また、宿泊者情報をPMSやExcelに手入力で打ち込む必要がないので、入力ミスも防げます。
ゲストが得られるメリット
- 感染予防対策になる
- 待ち時間を短縮できる
- レストランやスパ予約など利便性が高い
ゲストにとっても、非対面・非接触のモバイルチェックインは、感染予防に嬉しいポイントです。
さらにチェックインが重なる時に生じていた待ち時間も解消され、ホテル到着後すぐに客室で休むことができます。ゲストは、飛行機や電車の利用でチェックイン時にはすでに疲れている可能性が高いですよね。すぐにくつろげるようスムーズなチェックインを提供するのは、素晴らしいおもてなしなのではないでしょうか?
また、専用アプリやオンラインを経由して、チェックイン以外にレストランやスパの予約、空調設定、フロントへの連絡などができ、ゲストの利便性をかなり高くしてくれます。
モバイルチェックインを通してパーソナライズサービスを実現
モバイルチェックインで得られるものは、チェックインの効率化や衛生管理だけではありません。
ゲストにパーソナライズサービスを提供できるのです。
ホテルからゲストへ特別オファー
モバイルチェックインを導入していれば、データに基づいたオファーが簡単に可能です。
リピーターであればこれまでの宿泊データから、新規ゲストであれば似たような属性データから、ゲストが好みそうなオファーを提案できます。
提案はアプリやメールで行い、ここでも非対面・非接触な提案方法ですね。
観光から帰ってきたゲストに新設スパを案内したり、夕食の少し前に個室を案内したり…絶妙なタイミングでホテルからゲストにパーソナライズなサービスを提案できます。
ゲスト自身で旅行をカスタマイズ
アプリやオンラインを通して、ゲストはいつでもどこからでもホテルスタッフと手軽にコミュニケーションをとれます。
その手軽さからフロントでの対面コミュニケーションより利用しやすく、ゲストのニーズを聞き取りやすいのです。
ゲストが「現地アクティビティを体験したい」「夕食にご当地名産を食べたいな」などと思った時に手軽に問い合わせてくれます。
ホテルはゲストのニーズに合ったサービスをいくつか提示すれば、それだけでゲストの旅行をカスタマイズしたことになるでしょう。
さまざまな拡張機能で収益アップも狙える
モバイルチェックインを拡張して活用すれば、さらなる収益アップも狙えます。
ここではマーケティングとアップセル、2つの観点から解説します。
マーケティングに活用
モバイルチェックインを通して得た、宿泊者データやゲストが利用したサービスやアクティビティのデータから、ゲストの特性が見えてきます。
一定期間データを蓄積したら、ターゲットとする層の興味があるものや欲しい情報などを分析できるので、今後のマーケティングのヒントにもなるのです。
宿泊後にカムバックを促すキャンペーンメールでは、ゲストの好みを分析した上でコンバージョンが高くなるオファーを提供しましょう。
アップセルを促す
モバイルチェックインを通して、ホテル到着前・到着時・滞在中にわたってオファーが可能です。つまり、アップセルできるチャンスがたくさんあるのです。
ホテル到着前におすすめのアクティビティやアーリーチェックインなどのオファーをしたり、到着時にグレードアップをオファーしたり…。方法は数え切れないほどあります。
到着前のオファーは宿泊日の約30日前をおすすめします。30日前ではゲストはまだ具体的な旅行内容を決めておらず、コンバージョン率が高くなる傾向があるからです。
もちろん、アップセルを目的として過剰なオファーは、かえって嫌悪感を抱かせてしまう可能性があるので慎重に行ってください。
本当にゲストに必要、あるいはベターだと思ったときにオファーしましょう。
WASIMILのオンラインチェックイン・ゲストポータル機能について
ここで、WASIMILのオンラインチェックイン機能とゲストポータル機能について紹介します。オンラインチェックインは、ブログ内で述べた恩恵を最大限受けられるように開発されています。顧客目線で使いやすく、わかりやすいチェックイン機能を搭載し、事前にチェックインを済ませたお客様は、ゲストポータルへアクセスが可能になります。このゲストポータルは予約の確認のみならず、旅行先でのツアーの申し込みなどが可能です。ホテルはその個性を生かした拡張コンテンツを販売し、アップセルを促すことが可能となります。さらに、WASIMILのチェックイン機能の真骨頂は、データの蓄積にあります。ゲストポータル上でのアクションやアップセルの販売率など、顧客情報を蓄積。情報を元にマーケティングを行い、その結果を元にさらに修正して、持続的に成長するホテルマーケティングが可能になります。
まとめ
モバイルチェックインはチェックイン作業をスムーズにし、ホテルにとってもゲストにとっても便利なテクノロジーです。
それだけでなく、ゲストの旅行をよりよくするためにも一役買ってくれます。
さらに、モバイルチェックインを通して多くのアップセルの機会が生み出され、得られたデータはマーケティングに活用できるのです。
テクノロジーを上手に使って、感染予防対策や業務効率化としてだけでなく、収益アップを狙える強力なツールとして使いつくしましょう。
WASIMILブログでは、ホテルが活用できる最新テクノロジー情報をご紹介しています。ぜひ他の記事もご参考ください。