【ホテルのSEO対策】戦略的なキーワード選定がなぜ重要なのか?
あなたのホテルの公式サイトでは、どのようなSEO対策をしていますか?
スマートチェックインや多言語対応チャットボットからARアプリまで、ホテル業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れには、目をみはるものがあります。
同時に、宿泊予約チャネルも多様化。従来のOTAに依存した集客方法ではなく、自社サイトから直接予約を増やしていくためのデジタルマーケティングが注目されています。
そして、ここで重要になるのが、ホテルの公式サイトへ集客方法です。
インターネットの検索結果には、大手のOTAサイトが上位表示されるので、「中小規模ホテル・旅館のサイトには勝ち目がない」と、思っている方も多いのではないでしょうか?
しかしそれは、効果的なキーワード選定を行っていないからかもしれません。
キーワードの設定次第で、ホテルのWeb集客を大きく変化させることも可能なのです。
そこでこの記事では、ホテル・旅館の自社サイトがSEOキーワードを選定する重要性や、キーワードの選定方法を解説していきます。
ホテルが自社サイトを持つメリット
ホテル・旅館が自社サイトを持つことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
主なメリットとして、つぎの4つが挙げられます。
- 直接予約が増えることによる収益アップ
- OTAサイトを広告として活用できる
- 伝えたい情報を自由に掲載できる
- 知名度の向上
では、ひとつずつ説明していきますね。
1.直接予約が増えることによる収益アップ
ホテル・旅館が自社サイトを持つメリットの1つめは、直接予約の増加により、収益が向上することです。
OTA経由の宿泊予約には、平均で15%〜30%の手数料がかかります。
言い換えれば、同じ客室販売数でも、OTA経由の予約を公式サイトからの直接予約に変えるだけで、収益が15%〜30%もアップするということです。
とはいえ、現在、集客のほとんどをOTAに依存している場合、いきなり直接予約率100%を目指すのは現実的ではありませんよね。
自社サイトを作成したからといって、OTAサイトへの掲載をやめる必要はありません。
複数の販売チャネルをうまく活用しながら、直接予約率を少しずつ上げていきましょう。
具体的な施策については、「ホテルの直販予約を50%に上げる方法」で解説しています。
2.OTAサイトを広告として活用できる
ホテル・旅館が自社サイトを持つメリットの2つめは、OTAサイトを広告として活用できることです。
ホテルがOTAサイトに情報を掲載すると、公式サイトからの直接予約が増加する
ビルボード効果(Billboard Effect)が、コーネル大学の実験で報告されています。
これにより、OTAで気になるホテルを見つけた顧客が、実際にそのホテルを予約する前に、公式サイトを訪れる傾向が明らかになりました。
OTAサイトに書かれている情報には限りがあるので、もっとホテルのことを知りたいと思うのは当然のことですよね。
このように、たとえオーガニック検索からのトラフィックが少なかったとしても、OTAサイトを活用して、自社サイトへ顧客を誘導することができます。
その際に、ホテルの公式サイトが魅力的で、簡単に予約できるようになっていれば、直接予約率も上がるでしょう。
しかし、自社サイトがなければ、その可能性はゼロです。
3.伝えたい情報を自由に掲載できる
ホテル・旅館が自社サイトを持つメリットの3つめは、ホテル側が伝えたい情報を自由に掲載できることです。
通常、OTAサイトは、登録フォーマットが決まっています。
一方、自社サイトは、情報を見せ方を自由に決められるため、ホテルの個性や強みを存分にアピールすることで、競合との差別化が図れます。
4.知名度の向上
ホテル・旅館が自社サイトを持つメリットの4つめは、ホテルの知名度が上がることです。
インターネットで露出が増えれば、ホテルの知名度も向上します。
また、自社サイトがあれば、SNSとの連携がしやすくなるため、SNSを活用したマーケティングが効果的に行えるのもメリットです。
ホテルのSEO対策とは?
ホテルが自社サイトを構築する際に、重要になるのがSEO対策です。
SEOとは、Googleなどのインターネット検索エンジンで、検索結果の順位を上げるために、ウェブサイトを最適化することを指します。
例えば、あなたが何か知りたいことがあって、インターネットで検索したとします。
あなたがクリックするのは、検索結果の一番上に表示されたウェブサイトではありませんか?
実際に、アメリカのマーケティング会社First Page Sageの最新調査によると、検索結果の順位別CTR(クリック率)は、下記のようになっています。
検索したキーワードで有料広告(ホテル関連のキーワードであればOTAサイトが多い)が表示された場合、9位、10位あたりのウェブサイトは、1ページ目には表示されないことも珍しくありません。
2ページ目以降になると、顧客の目に触れるチャンスはほぼなくなってしまいます。
顧客にあなたのホテルのサイトを訪れてもらうためには、検索順位1位〜2位、最低でも1ページ目に表示されることを目標にしましょう。
ホテルサイトを上位表示させるための10のヒント
あなたのホテルの自社サイトを上位表示させるためは、最低でも、下記の10の取り組みを行いましょう。
- 明確なターゲット・ペルソナの設定
- 効果的なキーワードの選定
- タイトル、メタディスクリプション、URL設定の最適化
- 見出しの配置や画像の代替えテキストを含めたコンテンツの最適化
- サイト表示速度の最適化
- レスポンシブデザインを採用(モバイルフレンドリー)
- サイトマップの構築HTLMの最適化や内部リンクなどの内部施策
- Googleビジネスプロフィールに登録
- Google Analytics、Google Search Consoleを活用して、SEO効果・改善点を確認
検索順位を上げるには、あなたのウェブサイトがユーザーにとって有益で、読みやすいものであること。そして、それを検索エンジンのクローラーに認識させることが重要になります。
なかでも、一番に考えなければならないのが、ターゲット・ペルソナの設定です。
なぜなら、どのような顧客層にリーチしたいのかにより、選ぶキーワードが変わってくるからです。
ホテルマーケティングにおけるペルソナ設定の重要性については、こちらの記事をどうぞ。
SEO対策の第一歩はキーワード選定
キーワード選定は、ホテルのウェブサイトのSEO対策のファーストステップであり、もっとも重要なステップでもあります。
キーワードの中には、ビッグキーワードやスモールキーワードと呼ばれるものがあり、それぞれ特徴が異なります。
ビッグキーワード:
検索ボリューム(検索回数)が大きいキーワード。
需要が大きなキーワードなため、上位表示されれば、大量のアクセスがを獲得できる。しかしその反面、競合が多く、SEOを成功させるのが困難。OTAや大手ホテルが上位を占めていることも多い。
スモールキーワード:
検索ボリューム(検索回数)が小さいキーワード、いくつかのキーワードを組み合わせた複合キーワード、ニッチキーワードなど。
需要が少ないため、大量アクセスは狙えないが、競合サイトが少なく、検索上位を狙いやすい。また、ビッグキーワードと比べ、顧客の検索意図が明確で、よりコンバージョンへ導きやすいという特徴も。
中小規模ホテルのSEO対策では、ビッグキーワードを単体で狙うよりも、スモールキーワード、もしくは、複合キーワードを狙ったほうが成功しやすいといえます。
あなたのホテルがターゲットとするペルソナを設定したら、まずは、そのペルソナがどのようなキーワードでホテルを検索するのかを考えてみましょう。
基本的なキーワード選定の手順
SEOキーワードは、下記のような手順で選定するのが一般的です。
- メインのキーワードとなる単語を決める
- 関連キーワード候補をたくさん見つける
- 検索ボリューム、SEOの難易度などで、キーワードの優先順位を付ける
-
- SEOの効果を確認し、必要に応じてキーワードを見直す
キーワードの検索ボリュームやSEOの難易度といった情報は、この後紹介するツールを活用すれば簡単に取得できます。
また、競合サイトのキーワードを分析するのもおすすめです。
関連キーワードとは?
関連キーワードとは、メインのキーワードと関連性が高い単語のことです。
メインのキーワードと一緒に検索されることが多いため、より顧客の検索意図に合ったキーワード選びに役立ちます。
例えば、Googleで「温泉」と検索してみると、「温泉 人気」「温泉 おすすめ」「温泉 関東」などのキーワードがサジェストされます。
関連キーワードを見つけるには、ツールの活用以外にも、SNSのトレンドをチェックしたり、実際にどのようなキーワードでユーザーがあなたのウェブサイトに流入しているのかを調べる、といった方法も効果的です。
キーワード選定に役立つ無料ツール
キーワード選定に使える、便利な無料ツールをご紹介します。
Googleキーワードプランナー
キーワードプランナーは、もともとはGoogle広告をサポートするツールですが、アカウントを取得(無料)すれば、広告を出さなくても利用可能。キーワードごとの月間検索ボリューム予測や難易度、関連キーワードなどが検索できます。
Ubersuggest
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、関連キーワードが調べられるサジェストツールです。キワード調査だけでなく、検索ボリュームや難易度もあわせて調べられます。キーワードプランナーと異なり、検索ボリュームが実数で表示されるのが特徴です。
※無料版は分析できる情報に制限があります。
ラッコキーワード
ラッコキーワード(旧「関連キーワード取得ツール」)は、Google、Bing、Youtubeなどのサジェストワードや、関連Q&A、共起語、見出しを一括で調査できる便利なツールです。キーワードプランナーと合わせて使いましょう。
※無料版は1日の検索回数などに制限があります。
Googleトレンド
Googleトレンドは、ある単語がGoogleでどれだけ検索されているかという傾向をグラフで確認できるツールです。
人気度の動向だけでなく、少区域別のインタレストや関連トピック、関連キーワードまで、細かく分析できます。
Googleサジェスト
Googleサジェストとは、ある単語を検索スペースに打ち込んでいるときに、検索候補が表示される機能のことです。
メインのキーワードと一緒に検索される事が多い単語だと考えられるため、関連キーワードの参考になります。
ただし、このサジェストは、ユーザーの検索履歴や位置情報の影響を受けるので注意しましょう。
例えば、「レストラン」と検索すると、Googleは、ユーザーが現在地から近い距離にあるレストランを探していると考えます。そのため、近隣の地名や店舗がサジェストされやすくなります。
ウェブサイトの検索順位を調べるときと同じく、サジェストを使うときは、Chromeをシークレットモードに切り替えましょう。
ホテルのWeb集客に効果的なキーワードの選び方
つぎに、ホテルのデジタルマーケティングに効果的な、SEOキーワードの選び方をご紹介します。
ホテルのウェブサイトにおすすめなのは、つぎの4つのパターンです。
- ホテル名をキーワードに入れる
- 地名をキーワードに入れる
- ホテルの特徴や目的をキーワードに入れる
- ホテルの宿泊プランをキーワードに入れる
ひとつずつ説明していきます。
1.ホテル名をキーワードに入れる
ホテルサイトのキーワードの選び方1つめは、ホテル名をキーワードに入れることです。
OTAサイトで気になるホテルを見つけた後に、そのホテルの公式サイトを訪れる顧客の傾向については、ビルボード効果のところでお伝えしました。
その場合、ホテル名で検索する可能性が高くなりますよね。
自社のホテル名をキーワードに設定し、上位表示させるための施策は必須といえるでしょう。
2.地名をキーワードに入れる
ホテルサイトのキーワードの選び方2つめは、地名をメインのキーワードと組み合わせることです。
旅行と計画しているとき、宿泊先の候補を探すために、「ホテル+旅行の目的地」で検索されることがよくあります。
そのため、地名を入れたキーワードは、集客力の高いキーワードといえるでしょう。
ただし、「ホテル+京都」といったキーワードでは競合が多く、SEOの難易度も高めです。
さらにローカルな地名や観光地などをキーワードに加えて、ターゲットを絞り込むことで、より上位表示を狙いやすくなります。
3.ホテルの特徴や目的をキーワードに入れる
ホテルサイトのキーワードの選び方3つめは、「ホテル+地名+◯◯」というように、ホテルの特徴や宿泊目的などをキーワードに組み合わせることです。
○○に入るのは、例えば、サウナや温泉、ヴィーガン、ペット同伴、子連れに人気といった、ホテルの強み。もしくは、家族旅行、卒業旅行、ワーケーションなどの、旅行の目的などが考えられます。
また、宿泊プランをキーワードにするのも、効果的なSEO対策のひとつです。
ただし、キーワードとなる宿泊プランは、あなたのホテルの顧客層に向けてパーソナライズされたものでなければなりません。
ターゲットとなる顧客層を正確に分析するためには、CRMを活用しましょう。
デジタルトランスフォーメーションでホテルのソフト面も強化
せっかくデジタルマーケティングで顧客をホテルに集客しても、受け皿となるホテルのサービスの質が低ければ、収益をアップすることはできません。
お客様に素晴らしい顧客体験を提供し、リピーターになっていただくのが、もっともコストパフォーマンスの高いホテルマーケティングです。
そのためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務の効率化がカギになります。例えば、自社予約システムとPMSの連携、予約客へのメール送信の自動化(ステップメール)、顧客データベースの自動クレンジング、収益レポートの作成・配信の自動化など。
これまでマニュアルで行っていた作業の中には、自動ができるものがたくさんあります。
自動化できるところは自動化し、本来の業務である、お客様へのサービスに集中できる環境を作りましょう。
WASIMILのホテルシステム
WASIMILは、PMS、CRM、自社予約システム、マーケティング支援、レベニューマネジメントなど、ホテル運営に必要な機能が一元管理できるオール・イン型ホテルシステムです。
中小規模ホテルに特化したシステムなので使いやすく、無駄がありません。
もちろん、予約システムはレスポンシブデザイン(モバイル対応)。4ステップで簡単に宿泊予約ができるので、コンバージョン率アップが期待できます。
β版に事前登録をご希望の方は、お気軽にWASIMILにご連絡ください。
まとめ
今回は、ホテル・旅館の自社サイトのSEOキーワード選定の重要性や選定方法についてお伝えしてきました。
ホテル業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、オンラインでの販売チャネルの需要がより高まっています。
ホテルがOTA手数料のために収益を失うことなく、Web集客を行っていくためには、いかにオーガニック検索から公式サイトへのトラフィックを増やすかがポイントです。
戦略的なキーワード選定は、その第一歩。「SEOなんて、なんだか難しそう」と思っているかもしれませんが、ほんの少し工夫しただけで、アクセス数やコンバージョン率に大きな変化が出ることもあります。
ホテルの収益アップに向けて、まずは、知識を学ぶことから始めてみませんか?